2週間のリバイバル上映をしている「かもめ食堂」を観に行った。
もう何度も何度も観ている、大好きな映画だ。小説も持っている。群ようこさんの作品だ。
だれかが昔、「ぐんようこ」だと思っていた!と言っていた。
ちょっと笑ってしまった。
いつ初めて観たのかは覚えていないけれど、20年前の作品だそうだ。
20年の時間を感じさせないどころか、観るたびにますます好きになる。
それはきっと、昔よりも今のほうが、暮らしというものを好きになっているからだと思う。
かもめ食堂は、フィンランド・ヘルシンキで、サチエが営む小さな食堂。
看板メニューはおにぎり。けれど最初は、お客さんがまったく来ない。
それでも、小林聡美さん演じるサチエは焦らない。
「ちゃんと真面目にやってたら、そのうち来るでしょ。」
そう言って、毎日淡々とコップを磨く。
特別なことをするわけでもなく、派手に何かを変えるわけでもない。
ただ、やるべきことをきちんと続けていく。
その姿が、静かで、強い。
やがて、食堂には少しずつ人が集まりはじめる。
世界地図を開いて、たまたま指したフィンランドにやってきたミドリさん。
ロストバゲッジをきっかけに現れるマサコさん。
そして、どこか不思議なフィンランド人の青年。
普通だけれど、少しだけ風変わりな人たちが、同じ場所で時間を過ごしていく。
その変化はとても自然で、ドラマチックというよりも、ただ当たり前のように訪れる。
私は飽きっぽくて、何かを始めても、いつの間にか手を止めてしまうことが多い。
だからこそ、サチエのように、自分のやることを信じて、淡々と続けていける人にあこがれる。
続けることは、思っているよりもずっと難しい。
目に見える変化がなくても、同じことを繰り返していくこと。
その時間を信じること。
この映画は、そんなことを静かに教えてくれる。
久しぶりにこの映画を映画館で観る時間は、なつかしい友達に会うようで、あたたかい。
そしていつか、フィンランドでかもめ食堂のおにぎりを食べてみたい。


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